| SILKYでは、はさみを製作する際、ステンレス鋼を使用しています。 |
| ■ハイステンとは・・・(ステンレス材の違い) |
SILKYでは8A・10Aの材料を使った鋏をハイステンレスはさみ、と呼んでいます。 ステンレス鋼にはいろいろな種類があります。SILKYはそのステンレス鋼の特性、特長と鋏になった時のメリット、デメリットを考え材料を選んでいます。 特に8A、10Aのステンレス鋼は通常の刃物によく使われている420J2や6Aの材料よりも硬く、また錆びにくい、という利点があるため本格的なクラフトはさみやキッチンはさみ、業務用はさみにこの材料を使用しています。 分厚い布をまとめて切る、硬い魚の骨を切る、また業務用はさみで硬いロープを切ったり、と通常のはさみを使っているとすぐ刃こぼれしてしまったり鋏の調子が悪くなってしまうような環境で使われるはさみにハイステンレスを使用しています。硬いだけでなく錆びにくい、という特性もあるので水辺の作業にもハイステンはさみをお勧めします。 これほどの特性がある分価格も高価で、加工も難しいという難点はありますがはさみ専門メーカーならではの技術で間違いのないはさみの開発・製造を行っていますので、「すぐ錆びてしまう」「刃こぼれしてしまう」という点でお困りの方はぜひ一度この『ハイステンはさみ』をお試し下さい。 |
| ■SILKYのはさみの材料 ステンレス種類 |
| 10A (=AUS10) ←ハイステンレス | 炭素の含有量を更に増やし、硬度をあげたのが10A(=AUS10)。 材料が高価で加工が難しいという難点もあるが通常のステンレスよりも硬く刃こぼれも少ない為、より堅く切りにくいものにも適しています。 SILKYではケプラー繊維(釣り糸)などを切るはさみの材料として使っています。 | |
| 8A (=AUS8) ←ハイステンレス | 6A(=AUS6)を元に改良されたもので、6Aの材料とは含まれるカーボンやクロムの割合が違います。 特に8Aの材料はクロムの含有量が多く、クロムは錆に強くより焼入れ硬度が高く入る、という特性がある為6Aの材料より硬く、錆に強い、とされている。 錆に強いので水辺で使う刃物によくこの材料は使われ、家庭用の包丁などにも利用されています。 よりハードな作業や、水・湿気が多い錆びやすい現場に適しています。 | |
| 6A (=AUS6) | | 実は日本製のステンレスで、愛知製鋼という会社が製作。 13Cr鋼(屋外や湿気のある場所にも強いクロム)の量を高め、焼入硬さを向上させたもの。 そこにバナジウム(V)、モンデブリン(Mo)、硅素(Si)などを加え、硬さ、耐磨耗性などを一層向上させたステンレス鋼です。 | バナジウム...耐磨耗性が向上する。 モンデブリン...粘り気(しなやかさ)が向上する。 珪素(ケイ素)...強さや硬さを増す作用がある。 | | もともとは手術用メスに使用されていたそうです。 少しグレードが高いはさみに使用しています。堅いもの・分厚いものを切るのに適しています。 趣味や仕事の道具として、ちょっといいものを...とお探しの方はこの材料を使ったはさみがオススメです。 | |
| SUS420J2 | 熱処理(焼入・焼もどし)により、高強度、高硬度を得られる。他メーカーでもはさみなど刃物全般に使われている。 安価で加工もしやすい為、一般軽作業から事務用に適している。 |  | 上の図は、SILKYのはさみでよく使う材料「420j2]と「440c」を比べたものです。 SUS(ステンレス)440C...ステンレスの中でも最も硬度が高く(=硬い)ステンレス。中の組織も細かく、強度は抜群。でもその反面、材料がひずみやすく加工しずらい。 SUS420J2...440Cに比べ、組織同士の間は空いているが、簡単に加工しやすくいろいろな形に成型できる。 | |
 |
| 材質ごとの特徴 |
 |
| 10A (ハイステンレス) | | 硬度(:HRC) | 特徴 | オススメ作業 | | 60 | 硬く、刃こぼれもしにくい | ケプラー繊維(釣り糸)など硬くて切りにくいものへ | | 8A (ハイステンレス) | | 硬度(:HRC) | 特徴 | オススメ作業 | | 58 | 錆びにくい | 台所や水辺の作業へ | | 6A | | 硬度(:HRC) | 特徴 | オススメ作業 | | 56 | 加工し易さと錆・硬度のバランスのとれた材料 | 何枚も重ねた布や仕事の道具として | | 420J2 | | 硬度(:HRC) | 特徴 | オススメ作業 | | 53 | 加工もしやすく価格も安価 | 事務用や軽作業用に | |
| ■ステンレスとは・・・ |
ステンレス鋼(Stainless steel)は、鉄にクロムやニッケルの合金。「ステンレススチール」や「不銹鋼」(ふしゅうこう)などとも呼ばれています。 ステンレス鋼にはおよそ200種類の鋼種があり、合金元素含有量や金属組織によって機械的性質、耐食性などもさまざまです。 |
| ■鉄と鋼の違い |
純粋な鉄[Fe]は極軟質で強度が低く、強度を高めるため鉄に合金元素として炭素[C]を添加したものを鋼[stell]と呼ぶ。 鋼の中でも、炭素鋼とは、一般的に炭素の含有量が0.02~2%の範囲の鋼のことである。 また、その炭素鋼に他の合金元素として、ニッケル[Ni]、クロム[Cr]、モリブデン[Mo]、銅[Cu]などを添加して、より高強度かつ高延性の鋼を造ることができる。これを合金鋼と呼ぶ。 ステンレスも、その合金鋼の一種類です。 |
鉄は炭素量により強度(硬度および引張強さ)が変わり、その割合によって鉄・鋼・鋳物鉄に分けられます。 それぞれの炭素の成分量は、以下の通りです。 |
| 鉄 | 炭素を 0~0.04% 含んだもの | | 鋼(はがね) | 炭素を 0.02~2% 含んだもの | | 鋳物鉄(いもの) | 炭素を 2.1~6.7% 含んだもの (工業上分類) | |
| ステンレス鋼は「鋼(はがね)」に分類されます。 |
| ■ステンレス鋼の種類 |
| オーステナイト系 | SUS304 SUS316 など | ・ 耐食性に優れている。 ・ 熱処理によって硬化しない。 ・ 磁石につかない。 ・ クロム、ニッケルを含み、炭素が殆ど入っていない。 ・ スプーンや食器に使用されている。 | | フェライト系 | SUS410L SUS430 など | ・ 耐食性はオーステナイト系のものより劣るが、価格が安い。 ・ 熱処理によって硬化しない。 ・ 磁石につく。 ・ 成分中にクロムを含み、炭素量が少量。 ・ ボルト・ナット類、家電部品に使用されている。 | | マルテンサイト系 | SUS420J2 SUS440C など | ・ 耐食性は他の系統のものより劣る。 ・ 熱処理によって硬化する。(焼きが入る) ・ 常温で磁性を持っている。(磁石につく。) ・ クロムを多く含み、炭素量が多い為熱処理により硬度が高く入る(=硬くなる) ・ 刃物類、ベアリング、ゲージに使用されている。 | | ※6A・8A・10Aもここに分類される | | 析出硬化系 | SUS630 AUS630 など | ・ SUS304の2倍の硬度をもつ。 ・ アルミニウムを添加し、弾性がある。 ・ バネ特性が必要な部品 ・ シャフトなどに使用されている。 | |
| ※SILKYのはみの材料は「マルテンサイト系」と「析出硬化系」のステンレスを使用している |
| ■ステンレス鋼のメリット |
| 1.耐食性、耐久性、強度、耐熱性、に優れている | 簡単に言えば『強い』材料。鉄に他の元素(クロムなど)を組み込むことにより強度を増し、鉄よりも錆びにくくなります。 鉄は屋外に置いておくとすぐに赤く錆びてしまいます。 これに比べステンレスは錆にくい。これも、ステンレス鋼に含まれるクロム(Cr)の働きです。 台所の流し台も魔法瓶の水筒もステンレス製ですよね。 | | 2.加工に強い | ステンレス鋼は伸びがよく、加工もしやすい為当社で行っている鍛造など型に入れて形状を造る、ということもできる。しかし、加工硬化(=ひずみ)があるので、これを考慮して型の製作など更に精密な設計をする必要があります。 それに、ステンレス鋼は全般的に切削性(=削る加工のしやすさ)が悪く、鉄や銅、アルミニウムと比べても加工した面がひずみやすく、ただ削れば形ができる、といわけでもないのです。 SILKYは独自の最新NC研削機を用いて1/100mm単位まで精密に加工することにより、ひずみの少ない精度抜群のはさみを製作しています。 | |
| |